Abbey Road Live Performance of The Beatles' Music

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1. Got My Mind Set On You
(セット・オン・ユー)
CLOUD NINE
「クラウド・ナイン」
WPCP-3991
1987年11月02日発売(英)

BEST OF DARK HORSE 1976-1989
「ダーク・ホース1976-1989」
22P2-3071
1989年10月発売(英)
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
WPCP-4901-2
1992年07月発売(英)
2. Not Guilty
(ノット・ギルティ)
GEORGE HARRISON
「ジョージ・ハリスン 慈愛の輝き」
WPCP-4382
1979年02月発売(英)
ANTHOLOGY 3
「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」
TOCP-8705-06
1996年10月28日発売
3. All Those Years Ago
(過ぎ去りし日々)
SOMEWHERE IN ENGLAND
「想いは果てなく〜母なるイングランド」
WPCP-4383
1981年06月発売(英)
BEST OF DARK HORSE 1976-1989
「ダーク・ホース1976-1989」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
4. Three Cool Cats
(スリー・クール・キャッツ)
THE COMPLETE SILVER BEATLES
「ザ・コンプリート・シルヴァー・ビートルズ」
30CP-55
1982年09月発売
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
TOCP-8701-02
1995年11月21日発売
5. The Sheik Of Araby
(ザ・シーク・オブ・アラビ)
THE COMPLETE SILVER BEATLES
「ザ・コンプリート・シルヴァー・ビートルズ」
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
6. Crying, Waiting, Hoping
(クライング、ウェイティング、ホーピング)
THE COMPLETE SILVER BEATLES
「ザ・コンプリート・シルヴァー・ビートルズ」
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
TOCP-65748-49
2001年06月08日発売(日)
7. Think For Yourself
(嘘つき女)
RUBBER SOUL
「ラバー・ソウル」
TOCP-51116
1965年12月03日発売(英)

THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
TOCP-6955
1976年11月20日発売(英)

YELLOW SUBMARINE SONGTRACK
「イエロー・サブマリン〜ソングトラック」
TOCP-65300
1999年09月13日発売
8. Only A Northern Song
(オンリー・ア・ノーザン・ソング)
YELLOW SUBMARINE
「イエロー・サブマリン」
TOCP-51121
1969年01月17日(英)
YELLOW SUBMARINE SONGTRACK
「イエロー・サブマリン〜ソングトラック」
9. For You Blue
(フォー・ユー・ブルー)
LET IT BE
「レット・イット・ビー」
TOCP-51123
1970年05月08日発売(英)
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
ANTHOLOGY 3
「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」
LET IT BE...NAKED
「レット・イット・ビー...ネイキッド」
TOCP-67300-01
2003年11月11日発売
10. Young Blood
(ヤング・ブラッド)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
11. I Forgot To Remember To Forget
(アイ・フォガット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォゲット)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
12. Don't Ever Change
(ドント・エヴァー・チェンジ)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
13. Take Good Care Of My Baby
(テイク・グッド・ケア・オブ・マイ・ベイビー)
THE COMPLETE SILVER BEATLES
「ザ・コンプリート・シルヴァー・ビートルズ」
14. So How Come (No One Loves Me)
(ソー・ハウ・カム)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
15. Nothin' Shakin'
(ナッシン・シャイキン)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
16. Glad All Over
(グラッド・オール・オーヴァー)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
17. All Things Must Pass
(オール・シングス・マスト・パス)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
TOCP-8027-28
1970年11月30日発売(英)
ANTHOLOGY 3
「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」
18. Handle With Care
(ハンドル・ウィズ・ケア)
TRAVELING WILBURYS / VOL.1
「トラヴェリング・ウィルベリーズ/ヴォリューム・ワン」
25P-2-2327
1988年10月24日発売(英)
TRAVELING WILBURYS COLLECTION
「トラヴェリング・ウィルベリーズ・コレクション」
WPZR 30237-9
2007年07月25日発売(日)
19. My Sweet Lord
(マイ・スウィート・ロード)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
MHCP-896-7
2005年11月02日発売
20. Give Me Love (Give Me Peace On Earth)
(ギヴ・ミー・ラヴ)
LIVING IN THE MATERIAL WORLD
「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」
TOCP-65542
1973年06月22日発売(英)
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
21. Cheer Down
(チアー・ダウン)
BEST OF DARK HORSE 1976-1989
「ダーク・ホース1976-1989」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
(encore)
22. Love You To
(ラヴ・ユー・トゥ)
REVOLVER
「リボルバー」
TOCP-51117
1966年08月05日(英)
YELLOW SUBMARINE SONGTRACK
「イエロー・サブマリン〜ソングトラック」

2007年11月29日。ジョージ・ハリスンの6回忌。そして、ドラマーのトーマスさん加入後の新生パロッツにとって初のイベントでもある。
聴衆の期待が弥が上にも高まる中、お気に入りのサッカーチーム、リバプールFCのユニフォームを着た今日のメイン・パフォーマー、バンビーノさんが登場。即座に沸き起こるバンビーノ・コールの中、軽快なテンポの Got My Mind Set On You でステージは幕を開けた。

バンビーノ(パロッツ/George役・以下バ)
「サンキュー!こんばんは!」
続いて渋めの Not Guilty、そして軽快な All Those Years Ago が披露される。

バ「ありがとうございました。もう、いつになく緊張しております。」
チャッピー「(パロッツ、リーダー/John役・以下チ)
「今日はたくさんお集まりいただきまして、ほんとうにありがとうございます。ジョージ・ハリスン、6回忌でございます。ということでありまして、日本では法事を執り行っておりますが(笑)。」

ここでバンビーノさんが楽譜を床にばら撒いてしまうというハプニングが!

チ「すいません。バタバタしておりますが。普段ね、大体1ステージに1曲か多くても2曲という感じで歌ってるバンビーノですけれども、全曲歌うとなるとちょっとこう緊張するんじゃないかと・・・何してんねん!」
バ「(楽譜の)順番がバラバラになってしまった!」(会場爆笑)
バ「こんなものいりません!」

バンビーノさんお得意のデビュー前のナンバーを3曲、Three Cool CatsThe Sheik Of Araby Crying Waiting Hoping と続けて演奏。

バ「ありがとうございました。3曲続けてここは、デッカオーディションでやった曲とかそういうやつですね。いいですね、これはね。」
ゴードン(パロッツ/Paul役・以下ゴ)
「あの〜、やってしまいましたね、また今年も(笑)。」
バ「やりましたね、『黄金虫』(*童謡・唱歌。作詞:野口雨情、作曲:中山晋平。The Sheik If Araby で、出だしにパロッツが演奏)。」
ゴ「お客さんがほとんど無反応だったのが怖かったですけども。歌が入った瞬間に殺されるんじゃないかと思いました(笑)。」
バ「この後はマジメにやりますからね。やっぱり歌詞がないと不安でしょうがない!」(会場爆笑)

バ「じゃあ今度は、ビートルズの曲なんですけど。チャッピーもベースを持つと!」
チ「世界で最もヘフナーの似合わない男(笑)。」(*Paul使用で有名なバイオリン型ベース)
バ「そういえばチャッピーのヘフナー姿を見るっていうのも初めてです。ということでダブルベースというやつはどの曲かといいますと、Think For Yourself、『嘘つき女』ですね(会場拍手)。前にやってるんですけど、前はギターでやってたんですね。」
チ「オクターブ高いんですね。」
バ「そう。ビートルズも本当はベースでやってるんですよね。だから今日はほんとうに雰囲気が出るんじゃないかと思いますけどね。じゃ、そんな1曲。(ゴードンさんの方を見て)すごい、なんか(楽譜を)仕分けしてくれてます。じゃあやっといてください(笑)。」
と笑いの渦巻く中、チャッピーさんとゴードンさんのダブルベースという贅沢なThink For Yourself

バ「今度は『Yellow Submarine』から。」
チ「ムードが変わったジョージならではのサウンドですね。これはフーミン(パロッツ/キーボーディスト)大活躍。」
バ「オルガンがかっこいいですね。」
フーミン「イントロだけはかっこいいね。あとはもう訳わからない(笑)。」と、Only A Northern Song を演奏。

チ「ジョージというとほんとこう独特のサウンドを創ってきております。やっぱりジョンとポールと違う路線をいかなきゃっていうのがあったんですかね。それでは今度もいいナンバー。」
ゴ「これね、結構普段からやって欲しいみたいなリクエストが。すごい面倒くさいんですね。チューニングを全部変えなきゃいけない。で、この生ギターを持ったりとかね。」
チ「ビートルズはアコースティックのナンバーがたくさんあってね。アコースティックやってくれって。今度からちょっとやろうかなとも思って・・・」(会場拍手)

アルバム『レット・イット・ビー』のアコースティック・ギターを使った名曲、For You Blue を演奏。

ゴ「はい、非常にブルージーな感じで。僕はジョージ・ハリスンのレパートリーの中でバンビーノが最もジョージの声に似てる曲じゃないかと思うんですけど。いかかですかね?(会場拍手)さっきマジにそういう話をしたらバンビーノがね、ちょっとうるっとしてました。」
バ「ありがとうございます。」
バ「次また『Live At The BBC』とかそのあたりの曲に戻って。ビートルズがデビューした後に録音したというやつですけど。実際にはデビューする前からやってたんでしょうね。じゃあそんなところから楽しい曲をお送りしましょう。」と、3曲を披露。

バ「ありがとうございました。Young Blood、そして I forgot To Remember to Forget 。これ、結構地味な感じがありますけど、よく聴くといい曲ですね。あと、Don't Ever Change 。これは毎年やりますけどね。ゴードンと二人で歌うという・・・」
ゴ「もうなんかね、長年歌ってる感じになりましたけども。最後のあのキメ(*二人で顔を思いっきり見合わせるポーズ)もね(笑)。」
バ「これもう、絶対やります。」
ゴ「あんなのないんですけどね、勝手に作ってやってる。」
バ「これ、キャロル・キングがやってますね。こないだ(お店に)来てくれれば良かったのに。」
ゴ「予約は入ってたんですけどね。予約のところにキャロル・キングって書いてあったんだけど、ちょっとバカっぽいなって(笑)。山田様。キャロル・キング様って書いてあった。」(会場爆笑)
バ「じゃあ今度もデッカのオーディションのやつですね。これもキャロル・キングの曲ですけど、Take Good Care Of My Baby 。正規盤には入ってないですけど、毎年好きでやってるもんで。(ゴードンさんに)すいません、歌詞を!」
チ「よく喋るなと思ったら、早く歌詞を探せということだったんですね。(ゴードンさんに)頼みますよ、歌詞探し係の方!(笑)」
バ「あとで蹴られるやん。あとで『こらボケ!』言われるやん。」
(楽譜を探しながら、ウケるゴードンさん。会場爆笑。)
チ「なかなかね。裏事情を見せてしまうところが、パロッツのいいところですけども(笑)。この歌詞カードって僕ら、なかなか覚えきれないんで置いてるわけですが、僕も一度大事はFMの収録の時に歌詞カード飛びまして。生放送のFMで大変でしたけどもね。嘘ばっかり歌いましたけど(会場爆笑)。まあ、そういうこともよくあります。またこれがライブの楽しさですよね。
じゃあそのTake Good Care Of My Baby という、僕が個人的に大好きな曲なんですがこっからは初期のジョージのいいところを何曲か続けてお届けしていきたいと思います。」
チ「ジョージに一番ぴったりきてますね。特に冒頭の部分、あれがなかなかジョージだな、という。それをまたバンビーノが見事にね、歌い上げている・・・(会場拍手)。切々と、もう冬の玄界灘という感じで(笑)。」
バ「そんなん見えたらおかしいやろ!」(会場爆笑)
チ「そんな感じでじゃあお届けいたしましょう。」
バ「いや、そんな感じ違うから。」と否定しつつ、切々と(?)明るくTake Good Care Of My BabySo How Com (No One Loves Me)Nothin' Shakin'Glad All Over を披露。

バ「じゃあここから、ソロの曲にいきたいと思いますけどね。」(会場拍手)
チ「ビートルズというのは活動期間がものすごい(長い)ですからね。全然サウンドが変わっているわけですが、今度は一気にムードを変えて、この辺からジョージ節みたいなね。物哀しい歌を歌うのがうまいですが、その辺のナンバーからお届けしたいと思います。じゃあ今度は All Things Must Pass、いいナンバーです。この歌もまたバンビーノがムードたっぷり(に歌うん)じゃあないかと思いますが。お届けしましょう。」と、アコースティック・ギターを使ってしっとりと厳かに演奏。

バ「(演奏終了後、楽譜を床に落として)All Things Must Pass・・・」
ゴ「これジョージ・ハリスンがビートルズ時代に作曲した曲ですけれども、よく聴くとアンソロジーとかに入ってるんですね(*『Anthology3』に収録)。69年ぐらいですかね。もうほとんどその当時出来上がってた曲なんですよね。All Things Must Pass ということは「諸行無常」ですよね。僕結構、好きな言葉ですね。あとは平家物語でね・・・(聴衆に向かって)全然反応がないですね(笑)。
じゃあ次はジョージ。ハリスンのソロはソロでも、ビートルズでもなく、ジョージのソロのバンドでもないという。なんとあのボブ・ディランとかね、ロイ・オービソン。」
バ「トム・ペティ、ジェフ・リン・・・トラベリング・ウィルベリーズ(*Traveling Wilburys:1988年に突然登場した覆面バンド。メンバーはレフティ、ラッキー、ネルソン、オーティスのウィルベリー兄弟と、従兄弟のチャーリー・T・ジュニア。しかし、実はその正体はロイ・オービソン、ボブ・ディラン、ジョージハリスン、ジェフ・リン、トム・ペティという超豪華な顔触れによる変名プロジェクトだった)」(会場拍手)
ゴ「すごいバンドですよね。トラベリング・ウィルベリーズ、5人ですね。ちょうど5人いますから。え〜、ロイ・オービソン役、フミヤ松山!(フーミンのこと)(会場拍手)ボブ・ディラン役、チャッピー吉井!(会場拍手)僕、誰ですかね?」(客席から「トム・ペティ!」の声)
バ「トム・ペティですね。ベースも弾いてますし。」
ゴ「(トーマスさんに)ジェフ・リン。(バンビーノさんに)ジョージ・ハリスン。で、丸くおさまりましたね。」
バ「ということで、トラベリング・ウィルベリーズのHandle With Care 。取り扱い注意、ですね。これ、結構好きな人多いと思うんですけどね。今度はジョージのパートしか歌いませんからね(笑)。」
ゴ「これ、完コピなんですね。」
バ「完コピなんですよ。その辺よくできてますよね。皆で振り分けましたからね。じゃあお送りしましょう。」

今年7月に「トラベリング・ウィルベリーズ・コレクション」も発売され、再び世界の注目を浴びているトラベリング・ウィルベリーズ。フミヤさんのリードボーカルで会場が沸く。

バ「いい曲ですよね。初めてやりましたけどね。トラベリング・ウィルベリーズ、もっとやりましょうか?」
ゴ「もっとやりましょう!」(会場拍手)
バ「今日はもう終わりですがね(笑)。じゃあ今度はジョージをやる時ははずせない曲をやってみたいと思いますが、My Sweet Load ですね。この辺からスライドギター(*slide guitar、別名ボトルネックギターは、ギター奏法のひとつ。スライドバーと呼ぶ棒を指に装着または持ち、弦がフレットや指版から浮いた状態のままバーを任意の位置で弦に接触させ、ピッキングして発音する奏法)がバンバン出てくるんですけどね。」
ゴ「バンビーノはスライドがうまいですからね。ジョージみたいですよね。」
バ「みんなが言うんですけどね。あの、ちょっと半笑いで(笑)。」
ゴ「いや、今の Handle With Care でもうまかった。ねえ皆さん!(会場大拍手)そんな謙遜しなくていいんですよ。」
バ「・・・みんな半笑いですよ。」(会場大爆笑)

スライドギターの美しい My Sweet Load を演奏。

バ「ありがとうございます。神様ですからね。これはやっぱり真剣にやらないといけないなあと思いますけどね。じゃあもう1曲、Give Me Love という曲があります。これほんとにいい曲だと思いますけどね。ビートルズのメンバーの中で一番最初にナンバーワン・ヒットを出したというジョージの(曲)ですね。じゃあ聴いてください。」と Give Me Love を演奏。スライドギター、ベースがメロディアスに奏でられ、バンビーノさんの甘い歌声が心地よく耳に響く。

バ「ありがとうございました。じゃあいよいよ今日も最後の1曲になりました。時間がたつのは早いですよね。あっという間に1年も過ぎ去りますけど。まああの、次の曲が終わって必ずそのあと出てきます。」(会場爆笑)
チ「ということで一応これで本編終わりですが、アンコールもあります。結構このアンコールが大掛かりです。ですから、アンコールしてもらわなきゃ困ります。」
バ「しなくても出てきますからね(笑)。あんだけ仕込んだんだからねえ。まあ、みなさんもう大体わかっていると思いますけどね。それはアンコールしてもらってからのお楽しみで。じゃあ、本当に今日はありがとうございました。」(会場大拍手)
チ「ほんとに今日はイベントありがとうございました。楽しんでもらえましたか、みなさん?(会場拍手喝采に、バンビーノさんに)よかったね。」
バ「よかった!」
チ「一所懸命練習した甲斐があったね。」
バ「じゃあ最後ですね。お送りしましょう、Cheer Down!」

バンビーノさんのスライドギター。その聴衆に語りかけるかのような美しい音色にマッチして、ステージは虹色にライトアップされる。
演奏が終わり、会場は興奮状態で歓声と拍手が鳴り止まない。アンコールの準備のため足早にステージを去るメンバー達。ややあってバンビーノさん以外のメンバーがステージにあがった。

チ「アンコールありがとうございます!今舞台を作っておりまして、ここでバンビーノ松山、落語をします(会場爆笑)。最近ずっとスクールに通ってシタール(*北インドの特徴的な形をした弦楽器。)を練習しております。その隣でトーマスがタブラー(*インドの楽器の中ではシタールについで有名な楽器。重要なパーカッションの一つとして世界的に知られるようになった)を、これもまたスクールに通って練習しております(会場拍手)。同じ先生にね。二人ともすごく出来の悪い生徒みたいで(笑)。ということで日夜努力しておりますんで、その成果をここで。では呼んでみたいと思いますが、シタールの奏者ですね。バ、バ、バンビ・シャンカール!」(会場爆笑。拍手の中、バンビ・シャンカールさんが登場)
チ「おお!向かいのカレー屋さんで借りてきた衣装。朝これ着た時は、レントゲン撮るのかと思いましたが(笑)。」
ゴ「格好から入りますよね。」
チ「すごいですよね。バンビ・シャンカールがシタールという楽器を。これはほんとに日本の琵琶ですね。結局あのシルクロードを渡って琵琶になってくわけですね。その原型と。じゃあその楽器を使ってお届けしたいと思いますが、インドの楽器ですから当然インドの曲ということで。」
ゴ「なんか挨拶したいって、バンビ・シャンカールさんが。」
チ「なんかあるんですか、バンビ・シャンカール?」
バ「(インド人の発音を真似て、巻き舌チックに)タンキュー!」(場内大爆笑)
バ「タンキューブェリーマッチ!(Thank you very much)。あの、ジョージをやるんですけどね(笑)。ということで習ってるんですけどね。ラビ・シャンカールさんの弟子という方に。」
ゴ「これみなさん、音聴いたらたまげますよ。」
チ「三味線の音しますからね。」(会場爆笑)
バ「本当は最初先生に止められたんですよね。まだ始めて2,3ヶ月だからやらないほうがいいですって言われて。それで皆にシタール習ってますって言ったんですけど、やめた方がいいかなあって言ってたんですけどね。突然先生がある日、せっかくそんな機会があるんだったらやったら、って言ったんですね。頑張って今年は1曲。3年前に一回やったんですけど、前回よりはうまくなっていると思いますけどね。」
ゴ「みんなもっと驚かなあかんわ。」(会場爆笑。再び音出し。ゴードンさんが客席に合図。)
会場「お〜っ!!(拍手喝采)」
バ「じゃあ Love You To をですね。やってるともうほんと歌は歌えませんね。やるもんじゃないです(笑)。またでもいつか、他にも曲ができればいいなと思ってますけどね。(会場拍手)さあ、じゃ。」

ここで二人の練習の成果が十二分に発揮された、素晴らしく幻想的な Love You To が演奏される。会場全体が息を呑んでシタールとタブラーの音色・リズムに引き込まれて、バンビーノさんとトーマスさんを見守り聴き入っている、そんな瞬間であった。

演奏終了後、花束を持ってにこやかに退場するバンビ・シャンカールさんに、大きなバンビーノコールと惜しみない拍手が送られた。

バンビーノさんの数ある魅力の中でも特筆すべきなのは、その演奏における表現力の豊かさであろう。得意のスライドを始め、ギターを奏でる音色の美しさは絶品である。演奏中の彼はしばしばひょうきんな表情をするため、ともすればその表情に気をとられてしまいがちだ。だかその表情の内に、真摯にそして情感たっぷりにギターを奏でるギタリスト、バンビーノ松山の姿がある。
そして歌においても、発音、発生、これが正にジョージなのである。あそこまでコピーできるのは本人の努力があってこそであろう。それは他のコピーバンドが普通にはまずやらないシタール演奏に挑み、やってのけるという姿勢にも現れている。

決して派手ではないが極端に地味でもなく、気がつくと確かな存在感があり、誰しもの心にいつまでも残るジョージの歌。そんな素晴らしいジョージの歌とギターをバンビーノさんは見事に表現してくれた。
新生パロッツになって初のイベント。数々のプレッシャーを克服し、私達の期待をはるかに上回る素晴らしいステージを魅せ、ジョージを偲ばせてくれたバンビーノさん、そしてパロッツのメンバーに、心からありがとうと言いたい。


* Report : K.M.(※修正/Abbey Road),
* Photos: K.M. & east
* Layout: s.s