Abbey Road Live Performance of The Beatles' Music

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1. It's All Too Much
(イッツ・オール・トゥ・マッチ)
YELLOW SUBMARINE
「イエロー・サブマリン」
TOCP-51121
1969年01月17日(英)
YELLOW SUBMARINE SONGTRACK
「イエロー・サブマリン〜ソングトラック」
TOCP-65300
1999年09月13日発売
2. Cockamamie Business
(コッカマミー・ビジネス)
BEST OF DARK HORSE 1976-1989
「ダーク・ホース1976-1989」
22P2-3071
1989年10月発売(英)
3. Beautiful Girl
(ビューティフル・ガール)
THIRTY THREE & 1/3
「33 1/3」
TOCP-67335
2003年03月03日発売(英)
4. Someplace Else
(サムプレイス・エルス)
CLOUD NINE
「クラウド・ナイン」
WPCP-3991
1987年11月発売(英)
5. Handle With Care
(ハンドル・ウィズ・ケア)
TRAVELING WILBURYS / VOL.1
「トラヴェリング・ウィルベリーズ/ヴォリューム・ワン」
WX 244
1988年10月発売(英)
6. Devil's Radio
(デヴィルス・レイディオ)
CLOUD NINE
「クラウド・ナイン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
WPCP-4901-2
1992年07月発売(英)
7. While My Guitar Gently Weeps
(ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス)
THE BEATLES
「ザ・ビートルズ」
TOCP-51119-20
1968年11月22日発売(英)
THE BEATLES 1967〜1970
「ザ・ビートルズ 1967年〜1970年」
TOCP-51129-30
1973年04月20日発売
ANTHOLOGY 3
「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」
TOCP-8705-6
1996年10月28日発売
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
MHCP-896-7
2005年11月02日
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
TOCP-6955
1976年11月20日発売(英)
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
LOVE
「ラヴ 」
TOCP-70200
2006年11月20日発売
8. For You Blue
(フォー・ユー・ブルー)
LET IT BE
「レット・イット・ビー」
TOCP-51123
1970年05月08日発売(英)
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
ANTHOLOGY 3
「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」
TOCP-8705-6
1996年10月28日発売
LET IT BE ...NAKED
「レット・イット・ビー...ネイキッド」
TOCP-67300-01
2003年11月11日発売
9. Give Me Love (Give Me Peace On Earth)
(ギヴ・ミー・ラヴ)
LIVING IN THE MATERIAL WORLD
「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」
TOCP-65542
1973年06月22日発売(英)
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
10. Life Itself
(ライフ・イットセルフ)
SOMEWHERE IN ENGLAND
「想いは果てなく〜母なるイングランド」
WPCP-4383
1981年06月発売(英)
BEST OF DARK HORSE 1976-1989
「ダーク・ホース1976-1989」
11. Isn't It A Pity
(イズント・イット・ア・ピティー)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
TOCP-65540
1970年11月30日発売(英)
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
12. Any Road
(エニイ・ロード)
BRAINWASHED
「ブレインウォッシュド」
TOCP-67074
2002年11月18日発売
13. P2 Vatican Blues
(ヴァチカン・ブルース)
BRAINWASHED
「ブレインウォッシュド」
14. My Sweet Lord
(マイ・スウィート・ロード)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
(encore)
15. Wah-Wah
(ワー・ワー)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
(encore)
16. What Is Life
(ホワット・イズ・ライフ(美しき人生))
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
 2月25日はジョージ・ハリスンの誕生日。この日のABBEY ROADには、たくさんのジョージ・ファン、ビートルズ・ファンが、ジョージのナンバーを楽しみながら、誕生日をお祝いしようと集まっていた。

 いよいよ、特集ステージ!歪んだギターが鳴り響き、ビートルズ時代のナンバー「It's All Too Much」が演奏された。ビートルズ・ナンバーと言っても、今まで普段のターコイズのステージでは、なかなか聴くことが出来なかった曲に興奮が高まる。
 チャーリーさん(ジョージ役)は、ジョージの雰囲気たっぷりに歌い、ポッキーさん(ポール役)とハモりながら、1曲目から盛り上げていく。
 ターコイズのメンバー5人でいろんな音を出し、このサイケデリックな曲で、ジョージ特集ステージが始まった。

 賑やかな「It's All Too Much」が終わると、たくさんの拍手に応えて、チャーリーさんが少し控えめに話し始めた。
 「えー、ありがとうございます。今日は2月25日、ジョージ・ハリスンの誕生日なんですね。ドンピシャという事で気合いをいれて、このステージお送りしたいと思います。ぜひこのジョージの誕生日特集ステージを楽しんでいってください!」などと挨拶した後、ギターを替えたいチャーリーさんは、足達さん(リンゴ役)にMCをバドンタッチ。

 すると、足達さんは突然スックと立ち上がり、右手を高く上げて、「ハロぉー!everybody!Welcome to George Harrison's Birthday、Birth、th、Birthday。。。。L
et's enjoy togeざぁ〜(Together)!」と、Birthdayの“th”の発音を何度も言い直しながら、大きな声で客席に向かって英語で呼びかけた。そんな足達さんの流暢な英語に?!客席からは笑い声と大きな拍手が巻き起こる。

 すぐに日本語でMCを続けた足達さんは、「MCするのに緊張で足が震えておりますけれども、今日は歌わないので、だいじょぶと思いますぅ。」と言い、ホッとした表情でドラム席に座った。

 足達さんのMCに続く曲は、渋いナンバーだった。印象的なギターのフレーズと、淡々としたメロディーが小気味良いリズムで繰り返される「Cockamamie Business」。決して派手な曲ではないのだが、一度聴くとしばらく頭から離れないほど、インパクトがある。
 続いては雰囲気を変えて、柔らかなナンバー「Beautiful Girl」が演奏された。チャーリーさんは、優しくしっとりと歌っていく。ポッキーさんとのハモリも美しく、心穏やかに聴き入った。

 「Beautiful Girl」を歌い終えたチャーリーさんが、また進行する。「えー、「Beautiful Girl」は、奥さんのオリビアさんに向けた曲だと言われておりますけれども、ポールもリンダさんやヘザーさんに、ジョンもヨーコさんに作ってますよね。他に(ジョージは)パティさんに「Something」を書いてますね。パティさんはクラプトンにも作ってもらってますからね、贅沢ですね。」とバッサリ斬った!
 そして、大ちゃん(ジョン役)から「チャーリーも、けっこう女性に曲、かいてるよね」と暴露されると、「フフンッ、まぁね」と、動揺することなくあったりと認めた。(あとから「ウソですよ」と否定してましたが)そんな余裕すら感じさせるチャーリーさんが、次に歌ってくれたのは、しみじみと染み入るバラード「Someplace Else」。

 チャーリーさんが弾く滑らかなスライド・ギター(円筒状のスライドバーを使って、弦を押さえて弾く奏法)は、心に染みると同時に乾燥した肌に潤いを与えてくれるような、しっとりとした音色だった。

 「Someplace Else」の後は、ジョージが参加していたバンド、“トラヴェリング・ウィルベリーズ”のナンバー「Handle With Care」が演奏された。チャーリーさんがメイン・ヴォーカルをとり、スライド・ギターもこなす中、ポッキーさんは、この曲ではロイ・オービソン役として、ヴォーカル&コーラスを担当。ボブ・ディランのハーモニカは黒岩さんがKeyboardで再現してくれた。

 続いては、スピード感のある「Devil's Radio」。ヴォーカルとコーラス、そして、バンド全体の演奏の息がピタッと合っていて、聴いていて壮快だった。

 「Devil's Radio」の後は、大ちゃんがMCを担当。「次はキーボードの“イケメン”黒岩くんとチャーリーの2人だけで1曲お送りするんですけれども。一番新しいアルバム「LOVE」にも入っています、ジョージのナンバーです。」などと紹介した。

 イントロは、チャーリーさんが弾くアコースティック・ギターのみ。ギターのひとつひとつの音が哀愁をおびて響きわたり、普段のステージで演奏されているヴァージョンとは違う、「LOVE」ヴァージョンの「While My Guitar Gently Weeps」が演奏された。アコースティック・ギターと、黒岩さんが弾く優しいストリングスだけの演奏に、憂いあるチャーリーさんの歌声が店内の隅々まで浸透していった。

 続いてもビートルズ時代の曲で「For You Blue」。チャーリーさんは、軽やかなリズムに乗せて、高音に跳ね上がるメロディーを歌っていく。黒岩さんのピアノ・ソロも軽快に奏でられ、聴いているこちらも自然に心が弾んでくる。
 このような特集ステージで、普段のステージではなかなか聴くことが出来ないビートルズ・ナンバーが聴けるのは、嬉しいものだ。

 ビートルズ時代のコーナーが終わった後は、また、ジョージ・ソロへと戻り、有名なナンバー「Give Me Love」が演奏された。ギターとベース、キーボードが、それぞれ風が吹き抜けるようにメロディアスに奏でられ、爽やかな気分になった。

 「Give Me Love」の後は、ポッキーさんが次の曲を紹介する。「今度、チャーリーはストラト(ギターの種類)に持ち替えまして、次の曲はゆったりした曲ですね。この曲もカポ(ギターのネックに挟むように取り付ける移調させるための器具)をつけて、もぉ、ジョージの曲は“スライド”か“カポ”かって感じですけれどもね。」と話す。
 そこで、カポの言葉に反応したチャーリーさんが、今日のステージのためにカポを購入したことを報告。「これが高くてですねー、5千円くらいしたんですけど、“エリック・クラプトンも使ってます”みたいなこと書いてあったんで、、、なんか買っちゃいますよねぇ。。。」と、しばらくカポの話しに花が咲いた。

 その新調したカポの準備も出来たところで次の曲「Life Itself」が演奏された。オリエンタルな雰囲気が漂うバラード。
 ジョージの繊細なヴォーカルを見事に歌い上げるチャーリーさん。そして、どこか懐かしさを感じさせるメロディーやギターの音階が優しく響き、涙腺が刺激される。そんな奥深いジョージのナンバーを演奏するチャーリーさんの姿には、内に秘めた更なるパワーを感じた。
 「Life Itself」にジーンとしたところで、続いて、ジョージが日本でのライヴでも演奏していた「Isn't It A Pity」へ移っていった。この曲もなんとも切なく、心が揺さぶられた。

 「Isn't It A Pity」が終わると、「(「Life Itself」と「Isn't It A Pity」が)非常に緊張する2曲だった」と話すチャーリーさん。「後半戦は、明るめな曲でいってみたいと思います。ジョージ・ハリスンの遺作と言われた「BRAINWASHED」というアルバムがありますけれども、この1曲めの「Any Road」を聴いたときは、なんか嬉しかった」と、これから演奏する曲について語ってから、後半戦へ。

 アルバム「BRAINWASHED」から、カントリー風な元気なナンバー「Any Road」と、軽快なブルース「P2 Vatican Blues」の2曲が続けて演奏された。

 その後、チャーリーさんから締めのご挨拶。「ではですね、今日はホントに日曜日にかかわらず、たくさんの方に来て頂いて、ありがとうございました。えー、次の曲で最後になりますけど、この曲はジョージの中でも名曲ですね。やっぱりこの曲を演らないとな、という感じで選びましたけれども。」と、最後の曲を紹介すると、大ちゃんがアコースティック・ギターでイントロを弾いて「My Sweet Lord」が始まった。

 チャーリーさんは滑らかにスライド・ギターを弾いてから、アコースティック・ギターの演奏のみでゆっくりと歌い出す。途中、コーラス・ドラム・ベースが入り、その後すぐに転調するところで、さらにグッと惹きつけられる。
 そんなジョージの代表曲のひとつ「My Sweet Lord」で特集ステージが締めくくられた。

 「My Sweet Lord」が終わると、“アンコール!”の声と共に拍手がこだまする。チャーリさんが「ありがとうございます。じゃぁ派手派手な曲でいきたいと思います。「Wah-Wah」」と曲を紹介すると、すぐに客席から歓声が響いた。
 メリハリのある足達さんのドラムと、チャーリーさんと大ちゃんの二人のギターチーム、ポッキーさんのベースと、黒岩さんのキーボードが、それぞれフル回転!!その駆け抜けるような、賑やかな演奏に乗せて、チャーリーさんは叫ぶように歌い、さらに勢いづいていった。

 
 そんな迫力のアンコール曲「Wah-Wah」が終わっても、観客からの拍手が止まらない。するとチャーリーさんは、右手を高々と上げ、ポーズを決めて「サンキューッ!!」と力強く応えてくれた。
 2回目のアンコール曲は「What Is Life」。客席も手拍子をしながら盛り上がり、このノリノリ曲でジョージ特集ステージが終わった。


 
 哀愁を感じるジョージの曲と、チャーリーさんの繊細な歌声がぴったりと合い、心地良く耳に届く。演奏する姿は、難しそうなギターをもさらりと美しく弾いていて、無駄がない。そんな気負わないが、しっかりと技を魅せてくれる演奏に、観ているこちらはリラックスして堪能できる。賑やかな曲ももちろん楽しめたが、バラード曲が実に心に残った。
 もっともっとジョージの曲、チャーリーさんとターコイズの演奏を聴いていたいと思わせる、ジョージとチャーリーさんの魅力がたっぷりと詰まった特集ステージだった。

***** Photos & Report by s.s