いよいよ、特集ステージ!歪んだギターが鳴り響き、ビートルズ時代のナンバー「It's All Too Much」が演奏された。ビートルズ・ナンバーと言っても、今まで普段のターコイズのステージでは、なかなか聴くことが出来なかった曲に興奮が高まる。
チャーリーさん(ジョージ役)は、ジョージの雰囲気たっぷりに歌い、ポッキーさん(ポール役)とハモりながら、1曲目から盛り上げていく。
ターコイズのメンバー5人でいろんな音を出し、このサイケデリックな曲で、ジョージ特集ステージが始まった。
賑やかな「It's All Too Much」が終わると、たくさんの拍手に応えて、チャーリーさんが少し控えめに話し始めた。
「えー、ありがとうございます。今日は2月25日、ジョージ・ハリスンの誕生日なんですね。ドンピシャという事で気合いをいれて、このステージお送りしたいと思います。ぜひこのジョージの誕生日特集ステージを楽しんでいってください!」などと挨拶した後、ギターを替えたいチャーリーさんは、足達さん(リンゴ役)にMCをバドンタッチ。
すると、足達さんは突然スックと立ち上がり、右手を高く上げて、「ハロぉー!everybody!Welcome to George Harrison's Birthday、Birth、th、Birthday。。。。Let's enjoy togeざぁ〜(Together)!」と、Birthdayの“th”の発音を何度も言い直しながら、大きな声で客席に向かって英語で呼びかけた。そんな足達さんの流暢な英語に?!客席からは笑い声と大きな拍手が巻き起こる。
「Someplace Else」の後は、ジョージが参加していたバンド、“トラヴェリング・ウィルベリーズ”のナンバー「Handle With Care」が演奏された。チャーリーさんがメイン・ヴォーカルをとり、スライド・ギターもこなす中、ポッキーさんは、この曲ではロイ・オービソン役として、ヴォーカル&コーラスを担当。ボブ・ディランのハーモニカは黒岩さんがKeyboardで再現してくれた。
イントロは、チャーリーさんが弾くアコースティック・ギターのみ。ギターのひとつひとつの音が哀愁をおびて響きわたり、普段のステージで演奏されているヴァージョンとは違う、「LOVE」ヴァージョンの「While My Guitar Gently Weeps」が演奏された。アコースティック・ギターと、黒岩さんが弾く優しいストリングスだけの演奏に、憂いあるチャーリーさんの歌声が店内の隅々まで浸透していった。
続いてもビートルズ時代の曲で「For You Blue」。チャーリーさんは、軽やかなリズムに乗せて、高音に跳ね上がるメロディーを歌っていく。黒岩さんのピアノ・ソロも軽快に奏でられ、聴いているこちらも自然に心が弾んでくる。
このような特集ステージで、普段のステージではなかなか聴くことが出来ないビートルズ・ナンバーが聴けるのは、嬉しいものだ。
ビートルズ時代のコーナーが終わった後は、また、ジョージ・ソロへと戻り、有名なナンバー「Give Me Love」が演奏された。ギターとベース、キーボードが、それぞれ風が吹き抜けるようにメロディアスに奏でられ、爽やかな気分になった。
「Give Me Love」の後は、ポッキーさんが次の曲を紹介する。「今度、チャーリーはストラト(ギターの種類)に持ち替えまして、次の曲はゆったりした曲ですね。この曲もカポ(ギターのネックに挟むように取り付ける移調させるための器具)をつけて、もぉ、ジョージの曲は“スライド”か“カポ”かって感じですけれどもね。」と話す。
そこで、カポの言葉に反応したチャーリーさんが、今日のステージのためにカポを購入したことを報告。「これが高くてですねー、5千円くらいしたんですけど、“エリック・クラプトンも使ってます”みたいなこと書いてあったんで、、、なんか買っちゃいますよねぇ。。。」と、しばらくカポの話しに花が咲いた。
その新調したカポの準備も出来たところで次の曲「Life Itself」が演奏された。オリエンタルな雰囲気が漂うバラード。
ジョージの繊細なヴォーカルを見事に歌い上げるチャーリーさん。そして、どこか懐かしさを感じさせるメロディーやギターの音階が優しく響き、涙腺が刺激される。そんな奥深いジョージのナンバーを演奏するチャーリーさんの姿には、内に秘めた更なるパワーを感じた。
「Life Itself」にジーンとしたところで、続いて、ジョージが日本でのライヴでも演奏していた「Isn't It A Pity」へ移っていった。この曲もなんとも切なく、心が揺さぶられた。
「Isn't It A Pity」が終わると、「(「Life Itself」と「Isn't It A Pity」が)非常に緊張する2曲だった」と話すチャーリーさん。「後半戦は、明るめな曲でいってみたいと思います。ジョージ・ハリスンの遺作と言われた「BRAINWASHED」というアルバムがありますけれども、この1曲めの「Any Road」を聴いたときは、なんか嬉しかった」と、これから演奏する曲について語ってから、後半戦へ。
そんな迫力のアンコール曲「Wah-Wah」が終わっても、観客からの拍手が止まらない。するとチャーリーさんは、右手を高々と上げ、ポーズを決めて「サンキューッ!!」と力強く応えてくれた。
2回目のアンコール曲は「What Is Life」。客席も手拍子をしながら盛り上がり、このノリノリ曲でジョージ特集ステージが終わった。